プラネタリウムの投映機製作さぁ本番 作業本格化、ドーム素材選びも

プラネタリウムのドームを構成するパーツ製作に向け、型取りをするメンバー=福井市の福井大文京キャンパス
プラネタリウムのドームを構成するパーツ製作に向け、型取りをするメンバー=福井市の福井大文京キャンパス

 福井県内の大学生と高校生、福井新聞の記者が、持ち運び可能なプラネタリウムドーム製作に取り組んでいる「どこでもプラネタリウム(どこプラ)プロジェクト」(清川メッキ工業、鯖江精機、ナカテック特別協力)は、9月から本番用のプラネタリウム製作をスタートさせた。6月に完成させた試作機では、星の見せ方や、ドーム素材の選び方など本番用の製作に向け課題が浮上。一つ一つクリアしながら、作業はいよいよ本格化してきた。

 試作機は、黒色ビニールシートを扇風機で膨らませて直径3メートルのドームを作り、中に設置した投映機で星空を映す仕組み。投映機は直径約30センチの半球のアクリル製容器に小さな穴を開け、内側に設置した電球で照らす。

 ただ、試作機はあくまで本番に向けた実験的な要素が強く、「本物」の星空を再現するためには改良が必要だ。例えば投映機は、南半球の星空も映せるように、半球容器を二つにしたり、耐久性を高めるためにアルミ製にする。また季節や時間による星の動きの変化を見せるために、回転機能を備えることにした。

 「でも、回転する機能って自分たちだけでできるかなぁ…。機械に詳しい学生はいないかな―」。そこで、福井高専機械工学科5年渡辺虎生太さんに白羽の矢を立てた。渡辺さんは、昨年度に福井高専生らが打ち上げた「スペースバルーン」でリーダーを務めた。快く引き受けてくれた渡辺さんが9月から「助っ人」として加わり、同校の3Dプリンターで作った部品や、市販の機器などを組み合わせて投映機の製作を進めている。

 一方、ドーム部分も改良が必要だ。試作では、ビニールシートが薄くて遮光性が低かった上、黒色のため光を吸収してしまい、星が見えづらかった。その反省を踏まえて素材を改めて選定中。ドームの外側は遮光性を高めるために黒色にし、内側は光を見えやすくするために白色にする予定だ。

 大きさも子ども20~30人が同時に鑑賞できるよう、直径3メートルから5メートルに拡大することにした。現在は段ボールで型紙を作っている。

 メンバーの小川実咲貴さんは「本番用の投映機やドームはより正確な作業が求められる。きれいな星空を再現するため、みんなで協力して頑張りたい」と意気込んでいる。