移動式プラネタリウム、福井済生会病院で出張上映 入院中の子どもら満喫

「どこでもプラネタリウム」できれいな星空を眺める入院中の子どもたち=3月29日、福井市の福井県済生会病院
「どこでもプラネタリウム」できれいな星空を眺める入院中の子どもたち=3月29日、福井市の福井県済生会病院

福井県内大学生、福井高専生、高校生と福井新聞記者による「どこでもプラネタリウム(どこプラ)プロジェクト」(アストロアーツ、清川メッキ工業、鯖江精機、ナカテック、富士通福井支店特別協力)は3月29日、移動式プラネタリウムドームの初の出張上映会を福井市の県済生会病院で開いた。入院中の子どもたち約50人が、ドーム内に広がる星空に感激し、心躍るひとときを過ごした。

ドームは直径5メートル、高さ3・5メートルの布製で、一度に子ども約30人が入れる大きさ。宇宙や科学技術に携わる人材育成を目指す福井新聞社の「ゆめ つくる ふくいプロジェクト」の一環で、多くの人に宇宙に興味を持ってもらおうと約1年かけて製作した。

この日は、入院している小学生と保護者、お年寄りのほか、院内保育所の子どもたちが鑑賞した。空気を送り込んで膨らんだドームを見た子どもたちは「わあ、おっきい」と興奮した様子で中に入り、プロジェクターから投映された星空に見入った。

「どこプラ」メンバーの高志高1年の生徒2人がプラネタリウムの解説を担当した。おおいぬ座のシリウス、オリオン座のリゲルなど冬に見える六つの1等星を線で結ぶと、六角形の「冬のダイヤモンド」になると紹介。子どもたちは「本当だ。ダイヤに見える」と目を輝かせていた。

25日から入院中の福井市内の小学1年生の男児は「星がきれいで楽しかった」と満足した様子。母親(45)は「ずっと(病院の)ベッドの上にいて気がめいっていたので、これを楽しみにしていたんですよ」と目を細めていた。

「どこプラ」は今後も県内での出張上映を予定している。