宇宙×衣食住の可能性を広げる JAXA職員が送るふくい宇宙アイデアソンへのヒント

河合佳祐氏(越前市出身) JAXA宇宙輸送技術部門鹿児島宇宙センター管理課
河合佳祐氏(越前市出身) JAXA宇宙輸送技術部門鹿児島宇宙センター管理課
私は福井県越前市の出身で、JAXAに入り この4月で3年目になります。種子島 宇宙センターに勤務し、事業所管理など事務系の仕事をしています。 宇宙について何かを考えていく際、「宇宙×○○」という考えで行動することが大切だと思います。宇宙とアートのコラボレーション、よりよいスポーツ中継やトレーニング解析に人工衛星 を活用するなど、宇宙を目的としてではなくアプリケーションとして活用していくことが求められます。 こうした考え方で、具体的に衣食住のテーマについて私なり に考えてみました。 まず「衣」では、スペースシャトル用に米国が開発した船外活 動用の宇宙服は10.5億円、生命維持装置だけで9.5億円する ので、どのようなアプローチでコストを下げるか。ロケットでの 輸送を鑑みれば軽くてかさばらないことが重要ですし、事務系的な視点からは宇宙飛行士の人権をいかに尊重するかにも関 心があります。広報担当者としては、ファッション性が高い方が メディアの反応も良さそうです。 食では、おいしくて保存期間が長いことに加え、ロケットの ものすごい振動などから、どのようなパッケージで食材を守る かも求められます。食中毒への法的対応など宇宙空間での決 まり事や、いろんな人種が集まるであろう空問において多文化 的な視点から考えることも面白いと思います。 住では、子どもや高齢者が宇宙で住むためには、という観点 はどうでしょう。湿度や広さに加え、温度にも大きく影響する 色をどうするかも、すごく大事な要素です。建築資材の輸送手 段も考えなければなりません。 皆さんも、考えられることをたくさん、そして真剣に考えてみてください。