山崎直子さんインタビュー

「いつか宇宙に行けたらいいな」−。小学生の時に、星空を眺めながら漠然と抱いた宇宙への憧れが、夢の実現へのスタートだった。日本人2人目の女性宇宙飛行士として2010年4月に宇宙で任務を果たした山崎直子さん。「ゆめ つくる ふくい」プロジェクトのスペースキッズサポーター就任にあたり、15日間の宇宙滞在の様子や、子ども時代のことについて振り返ってもらった。

 −宇宙へ出発した時の様子を教えてください

2010年4月5日。宇宙服を着て、打ち上げ3時間前にスペースシャトル「ディスカバリー」に乗り込みました。エンジンに火が付くと、ドドドーッという揺れと、バリバリッという重低音が響き渡りました。ヘルメットとヘッドセットを付けているので、外からの音は遮られますが、頭がい骨を通じて振動を感じ、打ち上がったと分かりました。始めはゆっくりですが、だんだんスピードが上がり、最終的にマッハ25、秒速8キロになります。加速時にかかる重圧は約3G。自分と同じ体重の人が上に3人乗っているのと同じです。ほほが後ろに引っ張られ、腕も強い力でグーッと押さえつけられます。

打ち上げから8分30秒後、エンジンが止まります。急ブレーキをかけたように前につんのめりになりますが、体が浮いている感覚があります。シートベルトを外すとふわっと浮くんです。普段は下にたまっているほこりなども一斉に浮いて、日の光を浴びて光るので幻想的な雰囲気でした。すると「ウェルカム・トゥ・スペース(ようこそ宇宙へ)」という船長の声がコックピット内に響き渡りました。体中の細胞が喜んでいるような、何だか懐かしい感覚でした。宇宙は遠いところというよりも、むしろ「ふるさと」だと感じました。

 −宇宙から見た地球はどうでしたか? 

窓から初めて地球を見た時、ちょうど地球が真上に輝いていました。朝日を受けてキラキラと青く光り、雲はダイナミックに動き、地球自体が一つの生命体のような感じがしました。昼間は大自然の力強さがすごくきれいに際立ちます。夜になると真っ暗で地形は見えないんですが、電気の明かりがこうこうと輝いて、夜景の光がすごくきれいです。特に日本は明るくて、電気の明かりで日本列島が浮かび上がるんです。自然の力も強いですが、人の力もすごいな、強いなと思いました。