打ち上げ、10月15日に延期 天候不良で

打ち上げが翌日に持ち越しになり、機体(右)やパラシュートを最終チェックする福井高専生=14日、沖縄県宮古島市

福井高専生5人と福井新聞の記者3人が取り組むスペースバルーンプロジェクト「ふーせん宇宙船」(鯖江精機、ナカテック特別協力)は、14日に沖縄県宮古島市で予定していた機体の打ち上げを、天候不良のため15日に延期した。波が高く海上での機体の回収が困難になることから、専門家らの助言も踏まえて判断した。

スペースバルーンは、カメラなどを搭載した発泡スチロール製の機体を気象観測用の直径約2メートルの風船を使って打ち上げ、高度約3万メートルの成層圏から宇宙や地球を撮影する試み。上空では気圧が低くなるため、目標高度付近に達すると風船が膨張して破裂し、パラシュートが開いて落下する。同市の海岸から打ち上げて海上に着水させ、漁船で回収に向かう。

宮古島地方気象台によると、14日は打ち上げ予定時刻の午前9時の風速が6・3メートル。専門家の岩谷圭介さん(31)=北海道在住=や地元漁師から「波の高さは4~5メートルとみられ、回収に行くのは難しい」との助言を受け、翌日に持ち越すことにした。同高専生の一人は「天候だけはどうしようもない。でも残念」と恨めしそうに海を見つめた。

ただ、岩谷さんらによると、15日は天候が回復する見込み。リーダーを務める同高専4年の渡辺虎生太(こおた)さん(19)は「何としても打ち上げて成功させたい」と前を向き、機体の最終調整に取り組んだ。

「ふーせん宇宙船」は、宇宙分野や科学技術に携わる人材育成を目指そうと、福井新聞社が展開している「ゆめ つくる ふくい」プロジェクトの一環。