輝く地球撮った、高度約3万メートル スペースバルーン打ち上げ、回収

福井高専生と福井新聞記者が打ち上げたスペースバルーンで成層圏から撮影された画像=15日午前8時50分ごろ

漆黒の宇宙に浮かぶ地球は、太陽に照らされてまばゆい輝きを放っていた―。福井高専生5人と福井新聞の記者3人が取り組むスペースバルーンプロジェクト「ふーせん宇宙船」(鯖江精機、ナカテック特別協力)は15日、沖縄県宮古島市で機体を打ち上げ、高度約3万メートルからの撮影に成功した。成層圏から捉えた地球の様子が鮮明に写っており、宇宙の壮大さを実感したメンバーは喜びに浸った。

この日は午前6時すぎから宮古島市北部の海岸で打ち上げ準備を開始。気象観測用の風船にヘリウムガスを注入して直径約2メートルに膨らませ、4台のカメラを搭載した発泡スチロール製の機体をつり下げ、同7時半に打ち上げた。

風船は成層圏に到達後に破裂し、機体は海上に着水。回収した機体内のカメラのデータを確認すると、打ち上げ後にぐんぐん上昇していく様子や、真空に近い状態の成層圏から宇宙と地球が見える場面など、着水するまでの約100分間の映像が鮮明に写っていた。機体の側面に取り付けた福井県の恐竜ブランド「ジュラチック」キャラクターのラプトが、縮小版の福井新聞を背負って“成層圏旅行”する様子も捉えた。

回収は、風向きや機体の重量などからおおよその飛行経路を割り出すなどして把握。陸上から無線で指示を出す班と、漁船で機体を探す班に分かれて取り組んだ。宮古島の西にある伊良部島の沖合約20キロ地点で、打ち上げから約3時間半後に発見した。

スペースバルーンは、宇宙分野や科学技術に携わる人材育成を目指そうと福井新聞社が展開している「ゆめ つくる ふくいプロジェクト」の一環。