星空キャンプ「星の海」神秘的

プラネタリウムを楽しむスペースキッズ
プラネタリウムを楽しむスペースキッズ

スペースキッズの団員は8月2日夜、福井県大野市の県自然保護センターを訪れプラネタリウムの観察も楽しんだ。「星がいっぱい。神秘的だな」。頭上に映し出された無数の輝きを眺めて声を弾ませた。

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プラネタリウムがある部屋に入り席に着くと「早く見せて」と待ちきれない様子の団員たち。六呂師高原から見える星空が天井に映し出されると、「すごい!! きれい!!」と星を指さして歓声を上げていた。夏の星座の見方や星の特徴についての説明を受けながら観察。星を線でつなぐと浮かび上がる、はくちょう座やわし座、へびつかい座などに見入り、宇宙への興味を広げていた。

夏の大三角を作る星座の一つ、こと座にまつわる切ない愛の物語も学んだ。前田桜奈さんは「星座一つ一つにストーリーがあるのが面白い」と話していた。

マイ・ロケット完成! 大野で星空キャンプ

野外体験や科学実験を通して宇宙への興味を育む福井新聞社の「スペースキッズ」(福井信用金庫特別協賛)のイベント「宇宙っておもしろい 星空キャンプで夏満喫」が2日、福井県大野市の県奥越高原青少年自然の家を舞台に2日間の日程で始まった。初日は小学5、6年生の団員89人が、ペットボトルロケット作りに挑戦。プラネタリウムでの星座観察も満喫し、団員たちは「いつか本物のロケットを打ち上げてみたい」と宇宙に思いをはせていた。

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イベントは、宇宙分野や科学技術に携わる人材育成を目指そうと福井新聞社が展開している「ゆめ つくる ふくいプロジェクト」の一環。

「ロケットはどうして飛ぶのかな」。講師の県児童科学館(坂井市)職員の問い掛けで始まったペットボトルロケット作り。団員は、ペットボトル内の水が空気で押し出される反動で飛んでいく仕組みを学び、燃料は違っても本物のロケットと同じ原理で飛ぶことに興味津々。バランスを取るためペットボトルに取り付ける羽根の角を丸くしたり、とがらせたりして思い思いのデザインを考え、自分だけのロケットを完成させた。

阿宇礼三倶得(あうれみげる)君(社北5年)は「遠くまで飛びそう」と仕上がりに満面の笑み。宇宙飛行士になるのが夢と話し、「大きくなったら本物のロケットに乗りたい」と目を輝かせていた。

夜は県自然保護センターに移動し、プラネタリウムで星座観察を楽しんだ。福井信用金庫による金融教室もあった。3日はペットボトルロケット大会を開き、団員が自作した自慢のロケットを飛ばす。

宇宙へ興味、瞳キラキラ スペースキッズ結団式

スペースキッズ結団式で気合を入れる団員たち=24日、福井新聞社

宇宙分野や科学技術に携わる人材育成を目指す「ゆめ つくる ふくいプロジェクト」を展開している福井新聞社は24日、子ども組織「スペースキッズ」(福井信用金庫特別協賛)の結団式を本社・風の森ホールで行った。宇宙にまつわるさまざまな体験を通して夢を描き、羽ばたくきっかけに―。そんな願いを託された子どもたちは、楽しみながら宇宙への興味を広げ、活動していくことを誓い合った。

スペースキッズは福井県内の小学5、6年生101人で構成している。結団式には児童や保護者ら約200人が出席した。福井新聞社の吉田真士社長は「宇宙は無限の可能性を秘めている。皆さんの可能性も無限。夢を持って成長してください」とあいさつ。西川一誠知事は福井県や県内企業などが2019年度の打ち上げを目指す県民衛星の取り組みを紹介し「さまざまな活動を通じて活躍してくれることを期待しています」と激励した。

応援団長を務める高橋俊郎・福井信用金庫理事長は「福井には宇宙に関わる企業がたくさんある。将来、福井の企業で夢を実現してくれたらうれしい」とエールを送った。

日本人2人目の女性宇宙飛行士で、スペースキッズのサポーターを務める山崎直子さんはビデオメッセージで活動に期待を寄せた。宇宙航空研究開発機構(JAXA)技術参与の舘和夫さん(福井県坂井市出身)は講演で、宇宙飛行士の宇宙での生活の様子などを紹介した。

団員に向けて送られた山崎直子さんのビデオメッセージ

団員を代表して石田愉楽君が「星空観察や科学実験を楽しみにしています。宇宙の仕組みや科学の不思議を学びたい」と力強く決意表明した。

県の担当者による県民衛星の開発状況の報告や、福井高専生と福井新聞社の記者が風船を使った宇宙撮影を目指す活動「スペースバルーン」の説明もあった。

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団員は今後、天体観測やペットボトルロケット作り、施設見学などの活動を通じ、宇宙や科学の魅力に触れる。

山崎直子さんインタビュー

「いつか宇宙に行けたらいいな」−。小学生の時に、星空を眺めながら漠然と抱いた宇宙への憧れが、夢の実現へのスタートだった。日本人2人目の女性宇宙飛行士として2010年4月に宇宙で任務を果たした山崎直子さん。「ゆめ つくる ふくい」プロジェクトのスペースキッズサポーター就任にあたり、15日間の宇宙滞在の様子や、子ども時代のことについて振り返ってもらった。

 −宇宙へ出発した時の様子を教えてください

2010年4月5日。宇宙服を着て、打ち上げ3時間前にスペースシャトル「ディスカバリー」に乗り込みました。エンジンに火が付くと、ドドドーッという揺れと、バリバリッという重低音が響き渡りました。ヘルメットとヘッドセットを付けているので、外からの音は遮られますが、頭がい骨を通じて振動を感じ、打ち上がったと分かりました。始めはゆっくりですが、だんだんスピードが上がり、最終的にマッハ25、秒速8キロになります。加速時にかかる重圧は約3G。自分と同じ体重の人が上に3人乗っているのと同じです。ほほが後ろに引っ張られ、腕も強い力でグーッと押さえつけられます。

打ち上げから8分30秒後、エンジンが止まります。急ブレーキをかけたように前につんのめりになりますが、体が浮いている感覚があります。シートベルトを外すとふわっと浮くんです。普段は下にたまっているほこりなども一斉に浮いて、日の光を浴びて光るので幻想的な雰囲気でした。すると「ウェルカム・トゥ・スペース(ようこそ宇宙へ)」という船長の声がコックピット内に響き渡りました。体中の細胞が喜んでいるような、何だか懐かしい感覚でした。宇宙は遠いところというよりも、むしろ「ふるさと」だと感じました。

 −宇宙から見た地球はどうでしたか? 

窓から初めて地球を見た時、ちょうど地球が真上に輝いていました。朝日を受けてキラキラと青く光り、雲はダイナミックに動き、地球自体が一つの生命体のような感じがしました。昼間は大自然の力強さがすごくきれいに際立ちます。夜になると真っ暗で地形は見えないんですが、電気の明かりがこうこうと輝いて、夜景の光がすごくきれいです。特に日本は明るくて、電気の明かりで日本列島が浮かび上がるんです。自然の力も強いですが、人の力もすごいな、強いなと思いました。