福井で宇宙アイデアソン、12チームアイデア発表 ISTS福井大会合わせ

福井県内の学生が宇宙の衣食住についてアイデアを発表した「ふくい宇宙アイデアソン」=6月15日、福井県福井市セーレンプラネット
福井県内の学生が宇宙の衣食住についてアイデアを発表した「ふくい宇宙アイデアソン」=6月15日、福井県福井市セーレンプラネット

6月15日に開幕した航空宇宙の国際会議「第32回宇宙技術および科学の国際シンポジウム(ISTS)福井大会」に合わせ、宇宙の衣食住に関する製品やサービスを学生が考えて提案する「ふくい宇宙アイデアソン」が、福井市セーレンプラネットで開かれた。福井県内の高校生や大学生ら12チームが出場し、約3カ月かけて練り上げたアイデアを発表。圧縮状態から水で復元させて使用する下着や、国際宇宙ステーション(ISS)で体を洗える装置など、斬新なアイデアが次々披露された。

アイデアソンは福井新聞社「ゆめ つくる ふくいプロジェクト」が主催。福井工大「ふくいPHOENIXプロジェクト」が企画・運営協力し、ナカテック、ネスティが特別協力した。

学生は2~4人でチームをつくり、「衣」「食」「住」のテーマに分かれて3月から活動を開始。県内企業などからアドバイスを受けながら、試行錯誤を重ねてきた。この日の最終プレゼンでは、1チーム10分の持ち時間で発表。県や宇宙航空研究開発機構(JAXA)の職員ら6人が審査した。

優勝したのは、福井高専B。長期間にわたって集団生活するISS内で、プライベートな時間を過ごしてもらおうと「ちぢまるーむ」と銘打った居住空間を提案した。1人分のスペースを確保した円筒状で、簡単に折り畳めるのが特徴。外側に越前和紙、内側には破れにくく肌触りの良い生地を採用し、睡眠時などリラックスできる空間を演出した。内側には全面に映像を映し出せるようにし、「疲れやストレスも飛んでいく」とアピールした。

このほか、宇宙飛行士が「宇宙酔い」を防ぐイヤホンや、作業効率アップを狙った製品「めがね型AR」など独創性あふれるアイデアが出された。審査員の講評では「いろんなアイデアを聞けて感謝している。今後もチャレンジを続けてほしい」「これからの福井、日本を皆さんの若い力で引っ張っていってほしい」などと期待の声が上がっていた。