最先端の宇宙関連技術がズラリ ロケット、人工衛星の模型など展示も

開発中の月面探査ローバーを披露したJAXAの展示=6月15日、福井県福井市のアオッサ
開発中の月面探査ローバーを披露したJAXAの展示=6月15日、福井県福井市のアオッサ
航空宇宙の国際会議「第32回宇宙技術および科学の国際シンポジウム(ISTS)福井大会」(6月15~21日)の宇宙関連技術展では、国内外の34社・団体が探査機やロケット、人工衛星の模型などを展示。来場者は宇宙開発を支える最新の技術に興味深そうに見入っていた。 JAXAは2020年代に予定する月面探査に関する技術を披露した。注目を集めていたのは、開発中の月面探査ローバー。月の北極や南極に存在すると考えられている水を探すのに使う計画で、掘削するためのドリルを備えている。 「どれだけの量の水があって、どういう質なのかを調べたい」と開発担当者。将来的には「得た水を月面での生活に使ったり、電気分解して水素を取り出して燃料に使ったりすることを考えている」という。月の次には火星を見据えており「地球からロケットで運べる物資は限りがある。火星探査するには、月を拠点にしてエネルギーを調達するのが理想」と話した。 IHIとグループ会社のブースでは、10年6月に地球に帰還した探査機はやぶさの「再突入カプセル」の実物大模型を展示した。カプセルは、小惑星イトカワの試料を収納し地球へ持ち帰ったもので直径約40センチ、高さ約20センチ。はやぶさ本体から分離された後、大気圏突入時の1万度を超える高熱から守るため、外部は特殊な耐熱材を使用。内部には自動で切り離されるパラシュートを搭載している。 三菱重工は、20年度の打ち上げを目指すH3ロケットや3Dプリンターで作ったエンジンの配管を紹介。NECは、はやぶさ2がりゅうぐうに着陸する際、投下して目印にする直径約10センチのボール「ターゲットマーカー」を展示した。