ふくい宇宙アイデアソン 「食」の部プレゼンテーション内容

■3位 「V1」 好きな体勢で寝られる服

「V1」チーム
「V1」チーム

宇宙でのストレス増大の原因の一つに、睡眠の質の低下がある点に着目した。寝袋を使って体を固定していた従来の就寝スタイルを改善できる服を目指した。

たどり着いたのは、浮遊せず、好きな体勢で寝られるよう微細な吸盤をトップスとボトムスそれぞれに取り付けるアイデアだ。生地は、保湿性があって肌触りの良い羽二重織物と、丈夫なポリエステルを使用することで、心地よさと耐久性を両立。恐竜、カニといった福井県の特色をモチーフにしたデザインとした。

ただ、寝返りをうったときに吸盤が取れてしまう心配があった。吸盤の耐久性を調べ、服の部位によって吸着力が異なる吸盤を付けるよう工夫した。腕やふくらはぎなどよく動かす場所には吸着力が低い吸盤を、背中などあまり動かさないと考えられる場所は吸着力が高い吸盤にすることにした。

メンバーは「力を合わせて考えたことが評価されてうれしい」と声を弾ませた。

「福井文化服装学院」チーム
「福井文化服装学院」チーム

■「福井文化服装学院」 宇宙生活、洋服で豊かに

「ファッションを通じて、宇宙での生活を豊かにしたい」。そんな思いから、閉鎖空間であるISS内でのストレスを軽減し、気分を高められる男女の服を形にした。

生地は抗菌、消臭効果がある天然竹繊維を使用。上着の脇などにあるひだはオーロラ色に反射する反射材を使い、華やかさを演出している。いずれも県内企業の素材だ。

生地の無駄を抑えるため、長方形に裁断した生地をつなぎ合わせる着物の作り方を採用した。これは洗濯ができないISS内で清潔さを保つ工夫でもあり、汚れた部分のみを簡単に取り換えられる。

「まるぱん」チーム
「まるぱん」チーム

■「まるぱん」 水で復元できる圧縮下着

宇宙でも自分らしくおしゃれに―。水で復元できる圧縮した下着「コンパクトインナー」を提案した。下着の体積を小さくすることで宇宙飛行士が持ち込む荷物に余裕ができ、好きなTシャツやズボンなどの衣類を持ち込めるようにするアイデアだ。

下着の代わりに圧縮したタオルで実験したところ、圧縮袋に入れたタオルと比べて体積が4分の1になった。下着の素材についても検証し、肌触りが良く吸水性の高いコットンリネンが最適と結論づけた。下着の製造には、福井の繊維技術を生かせることも強調した。