真空対策、防水もOK 撮影機体実験着々と

実験を行う福井高専生

福井高専生5人と福井新聞の記者3人が挑戦中のスペースバルーンプロジェクト「ふーせん宇宙船」(鯖江精機、ナカテック特別協力)。カメラを搭載した箱形の機体を風船につるして打ち上げようという取り組みなのだが、成功に向けてクリアすべき新たな課題が見つかった。上空での「気圧」の問題だ。

計画では、風船は高度約3万メートルまで上がって破裂し、海に落下した機体を回収する。機体は安価で軽く、加工しやすい発泡スチロール製の箱。機体の外側にはカメラのレンズを露出させる穴を開けており、ここにわずかな隙間ができるが、樹脂で埋めて密閉した。隙間から外気が入り込んだり、海に落ちた後に海水が流入するのを防ぐためだ。

しかし、ここで懸念が生じた。気圧は高度が上がるほど低くなる。一方、密封された箱の中は気圧が低くならないため、外気と気圧差ができ、箱が内部からの圧力で壊れる可能性があるのではないか。

上空で箱が破裂―。そんな最悪の映像が頭に浮かんだ。ほかのメンバーに相談すると、福井高専4年の渡辺虎生太(こおた)さんが「その可能性もあるかも。実験して確かめてみましょう」と提案。早速、準備に取り掛かった。