岩谷圭介さん、試作機の出来に太鼓判

専門家の岩谷圭介さん(右から3人目)から機体の改善点を学ぶ福井高専生=8月、福井県鯖江市の同校

打ち上げ成功に向け、勇気づけられた1日だった。福井高専生5人と福井新聞の記者3人が挑戦中のスペースバルーンプロジェクト「ふーせん宇宙船」(鯖江精機、ナカテック特別協力)で先ごろ、スペースバルーンの国内第一人者の岩谷圭介さん(31)=北海道在住=を福井県鯖江市の福井高専に招きアドバイスを受けた。本番を想定した試作機を見てもらったところ「しっかり作り込まれていますね」と評価は上々。え、本当に? 飛び出したほめ言葉に、メンバーの心は躍った。

岩谷さんは北海道大の学生時代にスペースバルーンに独学で取り組み始め、2012年に個人として初めて国内での打ち上げを成功させた。これまでに95機の機体を製作、84回の打ち上げ実績がある。私たちメンバーにとっては“雲の上の存在”と言っても過言ではない。

岩谷さんからは活動を開始した3月から、電話やメールで助言をもらっていた。その際、岩谷さんが強調していたのは「まずは自分たちで考えてほしい」ということだ。特に学生に対しては、自力で壁を乗り越えてもらいたいとの思いが込められていた。岩谷さんの言葉を胸に刻み、メンバーは議論や実験を重ね、試行錯誤を繰り返してきた。