プラネタリウム試作品完成 1号機の星ぼんやり…「おかしいな」 

プラネタリウムドームの前で記念撮影するプロジェクトメンバー=福井大の文京キャンパス
プラネタリウムドームの前で記念撮影するプロジェクトメンバー=福井大の文京キャンパス

福井県内大学生と高校生、福井新聞の記者が、持ち運び可能なプラネタリウムドーム製作に取り組んでいる「どこでもプラネタリウム(どこプラ)プロジェクト」(清川メッキ工業、鯖江精機、ナカテック特別協力)は、6月末に試作の1号機を製作した。黒色のビニールシートを扇風機で膨らませ、中に設置した投映機で星空を映す仕組みだ。試しに見てみようと、福井大の教室内にドームを設置。数百の星々がきらめく様子を思い浮かべながら、投映機の電源を入れると―。

「おかしいな」。ドーム内で電源を入れた浅見祥宏さん(福井大工学部応用物理学科3年)が首をかしげた。投映機に手をかざすと星の輝きは確認できるが、ドーム内部にはかすかな光が見えるだけ。ほかのメンバーも「鑑賞できる代物ではないね…」。思い描いたプラネタリウムとは異なっており、教室内は重~い空気に。

それにしても、なぜ星がはっきり映らないのか。原因を探ってみた。投映機は「ピンホール式」と呼ばれるものを製作した。直径約30センチの半球のアクリル製容器に小さな穴を開け、内側に設置した電球で照らす仕組み。投映機を回転させて星の動きを見せられるようにするなど、より楽しめる工夫が必要だが、これ自体に大きな問題はなかった。

一方、ドーム部分には多くの課題が見つかった。使用しているビニールシートが薄くて遮光性が低い上、黒色のため光を吸収してしまう。そのため、星が見えづらくなっていたようだ。
メンバーは「事前の検討が足りなかった」と反省しきり。この失敗を次に生かすことが大事だ。私たちならではの特徴を備えた投映機やドーム製作を目指し、検討を重ねている。