プラネタリウムの手作り投映機、完成間近 直径5メートルのドームも製作中

北半球と南半球の星空を再現できるようアルミボウルを2個設置した投映機=福井市の福井大文京キャンパス
北半球と南半球の星空を再現できるようアルミボウルを2個設置した投映機=福井市の福井大文京キャンパス

子どもたちに宇宙の魅力を感じてもらおうと、持ち運び可能なプラネタリウムドーム作りに県内大学生と高校生、福井新聞の記者が挑戦中の「どこでもプラネタリウム(どこプラ)プロジェクト」(アストロアーツ、清川メッキ工業、鯖江精機、ナカテック、富士通福井支店特別協力)。作業開始から6カ月、ようやく投映機の完成が近づいてきた。北半球と南半球の星空が見えるように工夫し、星の動きの変化を表現するための回転機能も搭載した。試作機に比べて性能が格段に向上し、メンバーは「良い仕上がりになりそう」と自信を深めている。

投映機の材料には、料理用のアルミ製のボウル2個を使用。それぞれを北半球と南半球に見立てる。ただ、ボウルは底が平らなため、半球の形に加工する必要がある。浅見祥宏さん(福井大)と中川弥さん(同)が約6時間かけ、金づちでたたいて変形させた。

投映機を支える台も手作り。3Dプリンターで製作した部品や市販のパイプなどを組み合わせた。担当した福井高専の渡辺虎生太さんは「持ち運びしやすいよう、組み立てや分解が簡単にできるように設計しました」と胸を張る。最大の特徴は回転機能で、モーターやギアを取り付け、ボウルが10分で1回転する仕組みだ。

現在は、ボウルに星を示す小さな穴を電動ドリルで開ける作業を進めている。製作中の投映機のほかに、プラネタリウムソフトとプロジェクターを使ってドームに映す「デジタル式」も用意する予定。手作りと機械の2種類の星空を楽しめるようにする。

投映機製作と並行して、直径5メートルのドーム作りの準備も進行中。遮光性の高い生地を使い、裁断、縫製などに取り掛かる計画だが、こちらも根気のいる作業となりそうだ。メンバーは「完成形がようやく見えてきたかな」と進み具合を確認し、もうひと頑張りしようと意気込んでいる。