移動式プラネタリウムのドーム完成間近 どこプラ、高校生ら縫製奮闘

持ち運び可能なプラネタリウムドーム作りに福井県内の大学生と福井高専生、高校生、福井新聞の記者が挑戦中の「どこでもプラネタリウム(どこプラ)プロジェクト」(アストロアーツ、清川メッキ工業、鯖江精機、ナカテック、富士通福井支店特別協力)は、作業が大詰めを迎えている。プラネタリウムを投映する直径5メートルのドームを作るため、素材となる布の縫製の真っ最中。頼もしい“助っ人”の力も得たことで、立派なドームが出来上がりそうだ。

プラネタリウムドームを形作る布の縫製に励むメンバー=福井市の福井大文京キャンパス
プラネタリウムドームを形作る布の縫製に励むメンバー=福井市の福井大文京キャンパス

布は遮光性の高いポリエステル製で、幅1・4メートル、長さ80メートル分を購入。ドームは上下に分けて製作することにした。上の部分は、二等辺三角形の形状に切り分けた24枚の布を縫ってつなげていく。だが、この作業は非常に時間が掛かる上、精密さが必要だ。「縫うのに慣れていない自分たちだけでは難しい」と判断し、裁縫のプロがいる福井文化服装学院(福井市)の協力を求めた。

ドームの下の部分は自力で製作。幅1・4メートル、長さ16メートルの布を土台とし、出入り口やドームを膨らませるための送風口を設ける。出入り口はファスナーを取り付けて開閉できるようにし、送風口は長さ約3メートルの筒状の布を作って取り付けた。

縫製はメンバーの竹内陽香さん、小川実咲貴さんが担当。大きな布を縫い合わせる際は、布同士がずれないようにするのに気を張る必要がある。

竹内さんは「家庭科の授業でエプロンを作ったけど、そのときとは全然違う」と苦戦。失敗して縫い直すと小さな穴が残り、ドームの中に光が漏れてしまうため、慎重に作業を進めた。

約2カ月間ミシンと格闘し、下の部分がほぼ出来上がった。上の部分も既に完成しており、残すは上下をつなぎ合わせる作業だ。竹内さんは「出来上がるのが楽しみ。早くドームの中に入って、プラネタリウムを見てみたい」と待ちきれない様子。上下をつなげて送風口から風を送り込み、ドームが膨らめば、今までの努力が実を結ぶ。メンバー全員、その瞬間を楽しみにしている。

プラネタリウムドームの製作順序
プラネタリウムドームの製作順序