ふくい宇宙アイデアソン 「住」の部プレゼンテーション内容

宇宙の衣・食・住に関する製品やサービスを学生が考えて提案する「ふくい宇宙アイデアソン」(福井新聞社「ゆめ つくる ふくいプロジェクト」主催、福井工大「ふくいPHOENIXプロジェクト」企画・運営協力、ナカテック、ネスティ特別協力)は6月15日、福井市セーレンプラネットで開かれた。県内高校生や大学生ら12チームが出場し、約3カ月かけて練り上げたアイデアを発表。県内企業の技術や特産品を生かして、宇宙での快適な暮らしを実現する夢のある提案が続出し、審査員をうならせた。

福井高専Bチーム
福井高専Bチーム

■優勝 「福井高専B」 簡単に折り畳める1人部屋

長期間にわたって集団生活する国際宇宙ステーション(ISS)内で、プライベートな時間を過ごしてもらおうと「ちぢまるーむ」と銘打った居住空間を提案した。

1人分のスペースを確保した円筒状で、ISS内の限られたスペースを有効活用できるよう簡単に折り畳めるのが特徴。実際に作った小型の模型では、約20分の1のサイズにできることを証明した。

ちぢまるーむの外側には越前和紙、内側には破れにくく肌触りの良い生地を採用。内側は全面に映像を映し出せることもポイントで、テレビ電話にも切り替えることができ「集団生活による疲れやストレスも飛んでいく、夢のような部屋」とアピールした。

宇宙空間だけでなく、地上での利用も模索。災害時の避難所で個室として活用することや、マンホールトイレ代わりに使用することも提案した。メンバーは「3カ月、放課後残って4人で協力してやってきた。アイデアソンをきっかけに宇宙について詳しく知ることができてよかった」と充実の表情。「実用化してほしいし、次は実際に人が入れるような実寸大で作ってみたい」と意気込んだ。

福井高専Cチーム
福井高専Cチーム

■「福井高専C」 飛び散らず体が洗える装置

宇宙飛行士がISSに滞在中、ぬれたタオルで体を拭いて清潔さを保っていることに着目。シャワーのように体が洗える装置「クリーナ・クリナー」を提案した。

ホースの先端に取り付けたスポンジの回転で体を洗う。スポンジの中心から水とボディーソープが出る仕組み。水が飛び散らないよう外側に吸引口を設けたほか、体の曲面にフィットするよう先端部の形状も工夫した。

吸引された水は、フィルターやろ過装置を通って再利用されることもポイント。「地球でも病院や介護の現場で応用できる」とアピールした。

福井高専Aチーム
福井高専Aチーム

■「福井高専A」 作業効率アップ 眼鏡型AR

宇宙飛行士のISSでの暮らしの快適化や作業の効率化を図ろうと、眼鏡型の拡張現実(AR)端末「GAR」を提案した。

地元鯖江産の眼鏡をベースに、取り外し可能なデバイス(投影機、カメラ、タッチパネルなど)、マイク、風圧測定器を装備した。投影機で作業マニュアルを映したり、カメラで他者の作業内容をリアルタイムで確認したりできる。マウスでクリックする動作を、息の風圧を使ってできるようにしたのも大きな特徴。プレゼンでは「手を使わずカーソルを合わせたところをクリックできる」と力説した。

福井高専Dチーム
福井高専Dチーム

■「福井高専D] 「宇宙酔い」を防ぐイヤホン

宇宙飛行士のISSでの暮らしの快適化や作業の効率化を図ろうと、眼鏡型の拡張現実(AR)端末「GAR」を提案した。

地元鯖江産の眼鏡をベースに、取り外し可能なデバイス(投影機、カメラ、タッチパネルなど)、マイク、風圧測定器を装備した。投影機で作業マニュアルを映したり、カメラで他者の作業内容をリアルタイムで確認したりできる。マウスでクリックする動作を、息の風圧を使ってできるようにしたのも大きな特徴。プレゼンでは「手を使わずカーソルを合わせたところをクリックできる」と力説した。

モッソモッソの会
モッソモッソの会

■「モッソモッソの会」 火星で暮らせる円柱状の家

火星で暮らすための家を考案した。円柱状の構造で、落ち着いた生活ができるよう地球を感じさせるデザインを心掛けた。

天井はクモの巣のような形状で、ここから日光を取り込める。差し込む木漏れ日の中で生活する演出だ。外壁は折り畳み式で、運びやすくした。外壁と内壁の間に水を通すことで、宇宙放射線の影響を低減する。

内部に配置する家具は、いずれも運びやすさを考慮して軽量な素材を採用。キッチンテーブルには、物が浮遊しないよう一部に磁石を用いる工夫が盛り込まれている。