スペースキッズ2期生、充実の1年 福井新聞のゆめ・つくる・ふくい

大型望遠鏡をのぞく児童=2018年8月3日、福井県大野市の県自然保護センター
大型望遠鏡をのぞく児童=2018年8月3日、福井県大野市の県自然保護センター

サイエンスショー、天体観測、ペットボトルロケット、プラネタリウム…。科学実験などを通して宇宙への興味を育む「スペースキッズ」の2期生100人は、2月23日の解団式で全日程を終えた。参加したメンバーは、スライドショーで充実の活動を振り返り、さらなる学びへ向け決意をにじませた。

昨年8月、福井県大野市で開かれた「星空キャンプ」に参加した越前市武生西小5年の女児は「天体観測で火星を初めて見てその迫力に驚いた」と懐かしそうに語り「今度は土星について、図書室で本を借りて調べてみたい」と意気込んだ。同11月のプログラミング教室が印象に残っているという福井大附属義務5年の女児は「今まで1回しかしたことがなかったけれど、スタッフに教えてもらえてうまくできた」と振り返った。

福井市湊小6年の男児は「これまでは星座の名前しか知らなかったけど、今ではオリオン座が見つけられるようになった」と自身の成長ぶりを実感。福井市木田小6年の男児は「将来は人類以外の生命体がいないかなどを調べてみたい」と話していた。

移動式プラネタリウムに子どもたち感動 福井新聞社でお披露目

最初に作ったビニール製のドーム。耐久性に不安があったため、素材を変更することにした=2018年6月
「どこでもプラネタリウム」で星空を楽しむスペースキッズ=23日、福井新聞社・風の森ホール
「どこでもプラネタリウム」で星空を楽しむスペースキッズ=2月23日、福井新聞社・風の森ホール

美しい星空、すぐそこに―。移動式のプラネタリウムドーム作りに県内大学生と福井高専生、高校生、福井新聞の記者が取り組んできた「どこでもプラネタリウム(どこプラ)プロジェクト」(アストロアーツ、清川メッキ工業、鯖江精機、ナカテック、富士通福井支店特別協力)は直径5メートルのドームを完成させ2月23日、福井新聞社・風の森ホールで披露した。招かれた県内の小学5、6年生約60人がドーム内に広がる星空に見入り、宇宙に思いをはせていた

ドームは子ども約30人が入れる大きさ。宇宙や科学技術に携わる人材育成を目指す福井新聞社の「ゆめ つくる ふくいプロジェクト」の一環で製作した。この日は、野外体験や科学実験などの活動を通じて子どもたちの宇宙への興味を育む「スペースキッズ」(福井信用金庫特別協賛)の解団式も併せて行われ、参加児童がプラネタリウムドームを体験した。

「わぁー、きれい」「知ってる星座だ」。ドーム内でプラネタリウムの上映が始まると、児童から歓声が上がった。どこプラのメンバーによる季節ごとの星空の解説に聴き入り、周囲に広がる美しい星空に夢中になっていた。坂井市長畝小5年の男児は「簡単に見ることができない流星群や、春夏秋冬全ての星空が昼間から見られてうれしい。ドームは扇風機一つで手軽に膨らませられるのも驚いた」と目を丸くしていた。

今後は県の協力を得てドームを運用する予定。県内の学校などに“出張”し、子どもたちにプラネタリウムを楽しんでもらう。

解団式では、天体観測したキャンプやプログラミング体験などの活動を映像で振り返った。スペースキッズのサポーターを務める宇宙飛行士の山崎直子さんは「自分の五感で感じたことは、大人になってからも心に残ると思います。スペースキッズの体験をきっかけに、いろいろなことに興味を抱いてください」とメッセージを寄せた。

プログラミングロボットに夢中 福井新聞社でスペースキッズ催し

プログラミングで指示を与えたロボットを走らせる児童=福井新聞社・風の森ホール
プログラミングで指示を与えたロボットを走らせる児童=福井新聞社・風の森ホール

プログラミングしたロボットで宇宙を冒険―。野外体験や科学実験を通して宇宙への興味を育む福井新聞社の「スペースキッズ」(福井信用金庫特別協賛)の秋イベント「プログラミングで惑星探査」が11月18日、福井新聞社・風の森ホールで開かれ、小学5、6年生70人がロボットを制御するプログラミングに挑戦した。宇宙に見立てたコースを走行させるコンテストもあり、児童は「宇宙を探索するロボットを作ってみたい」と将来の夢を思い描いていた。

プログラミング教育の普及に取り組む団体「プログラミング・クラブ・ネットワーク(PCN)」の松田優一代表らが講師を務めた。

松田代表は「宇宙に飛ばすロケットもプログラムで制御しています」と話し、スマートフォン、家電など身近な物を動かすにもプログラミングが不可欠だと説明した。

児童は、PCNが販売している子ども向けのコンピューター「IchigoDake(イチゴダケ)」を使い、発光ダイオード(LED)を点滅させるプログラム作りを通じて基礎を学んだ。前進や旋回、腕を振るといったロボットを動かすプログラミングにも挑戦した。

宇宙に見立てた縦横90センチのコースを走行させるコンテストでは、悪戦苦闘しながらもプログラミングを楽しんだ。ロボットがコースを外れたり、止まったりする失敗を繰り返すことでプログラムの不備を理解し、修正。少しずつロボットの動きの精度を高めていった。

月より遠い火星に到達するための難易度の高いプログラミングに挑戦する児童もおり、無事に帰ってくると「よっしゃー」とガッツポーズ。思い通りにロボットを制御するプログラミングの魅力を実感していた。

松田代表は「イベント終了後もプログラミングに取り組んでいる子どももいて、やる気に火をつけられたかなと思っている。課題を解決するため、試行錯誤を繰り返すことの大切さも学んでくれたのではないか」と話していた。

イベントは、宇宙分野や科学技術に携わる人材育成を目指し福井新聞社が展開している「ゆめ つくる ふくいプロジェクト」の一環で開かれた。

【コンテストのルールと使用したロボット】

・ロボットは前方にある物体との距離を測るセンサーを内蔵。「壁の前で止まる」「左に90度旋回」「右アームの上げ下げ」などの指示を組み合わせたプログラムを事前に作り、ロボットを起動させる。

・スタートとゴール位置は同じ。月や火星に移動させ(両方狙うのもOK)、ロボットの腕に人形を接着させ、持ち帰ると点数が得られる。

・月にいるウサギは1点。火星にいる宇宙人は2点、1体だけいる火星人は3点。ゴールに持ち帰られなければ「宇宙のゴミ」となり0点。

・1人2回チャレンジでき、合計点の高い順に1~3位を決める。

プログラミングでロボット操り「惑星探査」 福井でスペースキッズ催し

プログラミングで指示を与えたロボットを走らせる児童=11月18日、福井新聞社・風の森ホール
プログラミングで指示を与えたロボットを走らせる児童=11月18日、福井新聞社・風の森ホール

野外体験や科学実験を通して宇宙への興味を育む福井新聞社の「スペースキッズ」(福井信用金庫特別協賛)の秋イベント「プログラミングで惑星探査」が11月18日、福井新聞社・風の森ホール(福井県福井市)で開かれた。小学5、6年生の70人が、宇宙に見立てたコースをロボットに走行させるプログラミングに挑戦。ロボットが想定通りにコースを進むと歓声を上げて喜び、機械を自在に制御する楽しさを実感した。

⇒【アルバム】プログラミングに熱中する子どもたちの写真を見る

イベントは、宇宙分野や科学技術に携わる人材育成を目指し福井新聞社が展開している「ゆめ つくる ふくいプロジェクト」の一環。プログラミング教育の普及に取り組む団体「プログラミング・クラブ・ネットワーク(PCN)」の松田優一代表らが講師を務め、ロケットやスマートフォン、家電などを例に、さまざまな物がプログラムによって制御されていることを説明した。

児童は、PCNが販売している子ども向けのコンピューター「IchigoDake(イチゴダケ)」を使って基礎を習得。前進、旋回、腕を振る―といったロボットを動かすプログラムも学んだ。宇宙に見立てた縦横90センチのコースを走行させる大会もあり、月や火星まで到達した後、面ファスナーの付いたロボットの腕に小さな人形を接着させ、無事に持ち帰ると点数が得られるルールで競った。

コースを外れずに走行させるには、前進や旋回などの動きを正確に組み合わせたプログラムが必要。児童は真剣な表情で修正を繰り返し、プログラムの精度を高めていた。

優勝した林空生君(坂井市)は「思った通りにロボットを動かせて気持ちよかった。もっと難しいプログラミングにも挑戦したい」と笑顔で話していた。

宇宙飛行士、金井宣茂さん12月に福井で講演 坂井市の福井県児童科学館で

ソユーズ宇宙船で中央アジア・カザフスタンの草原地帯に帰還し、笑顔を見せる金井宣茂さん=2018年6月3日
ソユーズ宇宙船で中央アジア・カザフスタンの草原地帯に帰還し、笑顔を見せる金井宣茂さん=2018年6月3日

国際宇宙ステーション(ISS)に5カ月半滞在した宇宙飛行士、金井宣茂さんが宇宙での任務や暮らしについて報告するイベントが2018年12月9日、福井県坂井市の福井県児童科学館で開かれる。金井さんは自身が担当した科学実験などを説明して宇宙でのミッションの成果を紹介するほか、来場者の質問にも答える。今年2月に開かれた金井さんとの交信イベントに続き、県民に宇宙を身近に感じてもらう機会になりそうだ。

宇宙分野や科学技術に携わる人材育成を目指し展開している福井新聞社の「ゆめ つくる ふくい」プロジェクトが主催、同館が共催する。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の企画に応募し、23日までに採用された。全国から22件の応募があり、同プロジェクトを含め5件が選ばれた。

金井さんは2017年12月からISSに滞在し、18年6月に地球に帰還した。健康長寿をテーマに新薬の開発に役立つ可能性のあるタンパク質の結晶作りや、マウスの飼育などの実験に取り組んだ。船外活動にも挑戦し、ロボットアームの装置交換などを成功させた。2月23日には、ISSと同館を結んだ交信イベントがあり、県内の小中高生と金井さんが交流した。

ミッション報告会は12月9日午後1時~同4時の間の2時間を予定。金井さんがISSでの任務や実験について紹介した後、日本実験棟「きぼう」の運用管制官のトークショーがある。前日の8日には、宇宙に関連する体験イベントなどを同館で開催する予定。報告会の参加者は後日、公募する。

天体観測に熱中「火星見えた!」 スペースキッズ星空キャンプ詳報

大型望遠鏡をのぞく児童=8月3日、福井県大野市の県自然保護センター
大型望遠鏡をのぞく児童=8月3日、福井県大野市の県自然保護センター

野外体験や科学実験を通して宇宙への興味を育む福井新聞社の「スペースキッズ」(福井信用金庫特別協賛)の夏イベント「星空キャンプ」が8月3、4の両日、福井県大野市の県奥越高原青少年自然の家などで開かれた。県内小学5、6年生約80人が連日の猛暑にも負けず、元気いっぱいに活動。地球に「大接近」した火星や美しい星空を観察したり、ペットボトルロケットを作ったりして宇宙と科学の魅力を体感する貴重な時間を過ごした。

⇒【写真集】星空キャンプのアルバムを見る

■火星見えた!!

「おー、すごい。赤い星が見えるぞ」。県自然保護センターの天体観察室に、大きな歓声が響いた。口径80センチの県内最大の望遠鏡で、15年ぶりに地球に「大接近」している火星を見て最高の思い出をつくった児童たち。木星や土星も観測することができ、未知なる宇宙への関心を大いに深めていた。

天体観測をした3日夜は雲が少なく、同センター天文指導員の山岸登美子さんも「今シーズンで最も見える日ですね」と話すほどの観測日和。昨年のキャンプでは雨が降って観測できなかっただけに、スタッフも興奮気味だった。

火星が観測できたのは南東の空。地球から遠い時期に比べて大きさが6~7倍、明るさが約40倍といい、山岸さんは「5759万キロまで最接近した7月31日とほぼ同じ大きさで見えますよ」と説明した。児童は待ちきれない様子で次々に望遠鏡をのぞき込み「見えた!!」「きれいだったね!!」と感想を言い合っていた。地球の11倍の大きさの木星は、特徴的なしま模様が観測できたほか、土星も周囲の輪を含めてはっきり見えた。

吉田彩乃さん(越前町)は「いろんな星を観測できてうれしかった。木星の衛星もよく見えた」と声を弾ませた。天文指導員に憧れているといい、「星に関する神話が好きなので、もっと詳しくなって説明できるようになりたい」と夢を語った。物理学者になりたいという佐藤寛晃君(越前市)は「火星を見ることができて感激。いろんな星に行ってみたいし、ブラックホールなど宇宙の謎を解き明かしてみたい」と目を輝かせていた。

同センター内では、プラネタリウム鑑賞も楽しんだ。直径約7メートルのドーム型天井に六呂師高原から見える満天の星空が映し出されると、「きれい!!」と歓声が上がった。夏の大三角をつくる「こと座」「わし座」「はくちょう座」の見方や星の特徴についてセンターのスタッフから説明を受けた。

北斗七星は「死」、南斗六星は「生」をつかさどる仙人に見立てられているという中国の伝説も紹介された。児童は、昔の人たちの宇宙観や地域の民族性に触れ、星空への興味を深めていた。

天体観測後に同センターを出ると、夜空には無数の星々が輝いていた。天の川も確認でき、児童は「うわーきれい」「こんなにたくさん見えるなんて」とうっとり。「日本一」に選ばれたこともある六呂師高原の星空を存分に堪能した。

■カレー作り、みんなで協力

3日の夕食はキャンプ場でカレーライス作りに挑戦した。各班のメンバーで話し合い、火おこし、野菜切り、皿洗いなど役割を分担して取り組んだ。

なたを使ったまき割りでは、「ゆっくりでいいよ」と声を掛け合って慎重に作業。野菜を切る場面でも「細かい方が火が早く通るから」と協力しながら約2時間で仕上げた。

「みんなで作ったカレーはおいしいね」と大きな口を開けて、出来たての味を楽しんでいた。

■お金の大切さ勉強

福井信用金庫による金融教室では、子どもたちがお金や信用金庫・銀行の役割、大切さを学んだ。

講師を務めた福井信金地域交流室長の寶田(ほうだ)敬裕さんは、お金の機能には▽物やサービスの交換▽価値保存▽価値尺度―の三つがあると説明。「お金がないとどうなる?」「信金・銀行がないと何が困る?」などと質問を投げ掛け、金融が生活に身近な存在だと教えた。

子どもたちはお小遣いの使い道を決めるときの考え方や、計画の立て方も学んだ。

ペットボトルロケットに熱中 スペースキッズ星空キャンプ詳報

勢いよく飛んでいくペットボトルロケット=8月4日、福井県勝山市の雁が原スキー場
勢いよく飛んでいくペットボトルロケット=8月4日、福井県勝山市の雁が原スキー場

野外体験や科学実験を通して宇宙への興味を育む福井新聞社の「スペースキッズ」(福井信用金庫特別協賛)の夏イベント「星空キャンプ」が8月3、4の両日、福井県大野市の県奥越高原青少年自然の家などで開かれた。県内小学5、6年生約80人が連日の猛暑にも負けず、元気いっぱいに活動。地球に「大接近」した火星や美しい星空を観察したり、ペットボトルロケットを作ったりして宇宙と科学の魅力を体感する貴重な時間を過ごした。

⇒【写真集】星空キャンプのアルバムを見る

■飛べ!マイロケット

「100メートル飛ばすぞ!」。8月4日に勝山市の雁が原スキー場で開かれたペットボトルロケットの発射大会。カラーテープやフェルトペンで思い思いにデザインした「マイロケット」を夏の青空に向けて打ち上げ、飛距離を競った。

ロケット作りは、前日の3日に行った。講師の県児童科学館(坂井市)職員から、ペットボトル内の水が空気で押し出される反動で飛ぶ原理を学んだ後、製作スタート。容量1・5リットルのペットボトルの側面に取り付けた羽根は、より遠くに飛ぶように、三角や流線形にするなど工夫した。また星や動物のイラストを描いて、カラフルに仕上げた。

発射大会では、自慢のロケットに水を注入し、発射台に設置して準備完了。「3」「2」「1」、パシュー。勢いよく水しぶきを上げて飛び出したロケットは、雲一つない青空にきれいな放物線を描いた。

発射は1人2回ずつ。狙い通りに真っすぐ飛ばなかったり、飛距離が出なかったりした子どもは、ロケット先端部の角度を微調整するなどして2回目に臨んだ。1回目より遠くに飛ばすと、「よっしゃー」とガッツポーズして満足そうな笑顔を見せていた。

■最長記録は僕たち

1回目の最長記録は、鈴木桜月君(鯖江市)の78メートル。「イカちゃん号」と名付けた自慢の愛機について「どこがうまくいったのかは分からないけど、思ったより遠くまで飛んだ」と驚いた様子だった。

2回目は、山内諒人君(福井市)が80・5メートルとこの日の最長記録を達成した。「重くならないようシンプルに作ったのが良かったのかな」と勝因を分析。何度かペットボトルロケットを作った経験があるといい、「今までで1番うまくできた」と誇らしげにロケットを掲げた。

子どもたち興奮、大接近の火星くっきり スペースキッズキャンプ

「火星見えたぞ!!」。興奮した様子で大型望遠鏡をのぞくスペースキッズのメンバー=8月3日夜、福井県大野市の県自然保護センター

「火星見えたぞ!!」「あの星の近くまで行ってみたいな」。8月3日に福井県大野市の県奥越高原青少年自然の家などで開かれた福井新聞社の「スペースキッズ」(福井信用金庫特別協賛)の夏イベント「星空キャンプ」では、県内の小学5、6年生約80人が天体観測を満喫した。15年ぶりに「大接近」している火星をはっきりと見ることができ、児童は大興奮。惑星の観察を通じて宇宙への夢を大きく広げた。

⇒星空キャンプの写真集はこちらから

天体観測は県自然保護センターの天体観察室で午後7時半から始まった。同センターの天文指導員が口径80センチの県内最大の望遠鏡や、ここから見える金星、木星、土星、火星について説明。星々の集まりである星団なども観察できると紹介した。

この日は満天の星空が広がる絶好のコンディションで、多くの惑星を見ることができた。中でも火星は、地球から遠い時期に比べて大きさが6~7倍、明るさが約40倍といい、「7月末に最接近したときと、ほぼ同じ大きさで見えます」と天文指導員。望遠鏡をのぞき込んだ児童は「すごい。赤い星がはっきり見えた」と感激した様子だった。

地球の11倍の大きさの木星は、特徴的なしま模様が観測できたほか、土星も周囲の輪を含めてはっきり見えた。稲葉友人君(鯖江市)は「火星や土星を自分の目で初めて見ることができてうれしい。宇宙飛行士になって火星まで行ってみたいな」と夢を描いていた。

プラネタリウム鑑賞も楽しんだ。直径約7メートルのドーム型天井に満天の星空が映し出されると、「きれい」と歓声を上げていた。夏の大三角を作る、こと座、わし座、はくちょう座の見方や星の特徴について説明を受けた。中国では、北斗七星は「死」、南斗六星は「生」をつかさどる仙人に見立てているとの物語も学んだ。

松山琴音さん(福井市)は「星にまつわる中国の物語は初めて聞いた。まだまだ知らないことがたくさんあって星座は面白い」と話していた

惑星大きい!天体観測に興奮 スペースキッズ、大野でキャンプ

大型望遠鏡をのぞき惑星を観察するスペースキッズのメンバー=8月3日夜、福井県大野市の県自然保護センター
大型望遠鏡をのぞき惑星を観察するスペースキッズのメンバー=8月3日夜、福井県大野市の県自然保護センター
大型望遠鏡をのぞき惑星を観察するスペースキッズのメンバー=8月3日夜、福井県大野市の県自然保護センター

野外体験や科学実験を通して宇宙への興味を育む福井新聞社の「スペースキッズ」(福井信用金庫特別協賛)の夏イベント「星空キャンプ」が8月3日、福井県大野市の県奥越高原青少年自然の家などを舞台に2日間の日程で始まった。小学5、6年生約80人が天体観測やペットボトルロケット作りに取り組んだ。

イベントは、宇宙分野や科学技術に携わる人材育成を目指そうと福井新聞社が展開している「ゆめ つくる ふくいプロジェクト」の一環。昨年に続き開いた。

天体観測は県自然保護センターで行われた。口径80センチの県内最大の望遠鏡を目にした児童は「大きい」とびっくりした様子。地球に「大接近」した火星や木星のしま模様もはっきりと確認でき、望遠鏡から見える惑星の美しさに感激していた。

ペットボトルロケット作りでは、県児童科学館(坂井市)職員の説明を受けた後、思い思いのデザインを考え自分だけのロケットを完成させた。渡辺悠樹君(福井市)は「100メートルは飛ばしたい」と話し、4日に開かれるペットボトルロケット大会を心待ちにしていた。

福井信金による金融教室もあった。

手作りパラシュートに熱中 スペースキッズ、坂井でコンテスト

パラシュート作りに取り組むスペースキッズのメンバー=6月30日、福井県坂井市の県教育総合研究所
パラシュート作りに取り組むスペースキッズのメンバー=6月30日、福井県坂井市の県教育総合研究所

科学実験などを通して宇宙への興味を育む「スペースキッズ」(福井信用金庫特別協賛)のイベント「パラシュートコンテスト」が6月30日、福井県坂井市の県教育総合研究所で開かれた。県内小学5、6年生約80人が、コーヒーフィルターで作ったパラシュートを落下させる競技を楽しんだ。

⇒「パラシュートコンテスト」のウェブ写真館はコチラから

イベントは、宇宙や科学技術に携わる人材育成を目指そうと福井新聞社が展開している「ゆめ つくる ふくい」プロジェクトの一環。同研究所の協力を得て実施した。

紙製のコーヒーフィルターと金属のおもり、糸を材料に、子どもたちは3~4人のチームに分かれて製作した。フィルターを複数枚つなげるなど工夫し、ゆっくり落ちるパラシュートを目指して試行錯誤を重ね、科学の楽しさや難しさを体感した。

コンテストは、講堂として使われている体育館で行った。高さ約7メートルの天井付近に、各チームのパラシュートを入れた箱を設置。合図とともに箱の底を開かせて、パラシュートを落下させた。滞空時間と、地面の的の中心にどれだけ近く落下したかで競った。子どもたちは祈るような表情でパラシュートの落下を見守り、狙い通りの結果が出ると歓声を上げて喜んだ。

優勝したのは、フィルターを4枚つなげたパラシュートを作り、5・87秒の滞空時間を記録した鶴谷百恵さんらのチーム。鶴谷さんは「空気の抵抗が大きくなるよう工夫した。優勝できて、とってもうれしい」と満面の笑みを浮かべていた。