宇宙絵画コンクール応募最多5782点 福井新聞社で審査会

子どもたちの感性光る作品が寄せられた宇宙絵画コンクールの審査会=10月19日、福井新聞社
子どもたちの感性光る作品が寄せられた宇宙絵画コンクールの審査会=10月19日、福井新聞社

宇宙分野や科学技術に携わる人材の育成を目指す「ゆめ つくる ふくいプロジェクト」の第3回福井県小・中学生宇宙絵画コンクール(福井新聞社主催)の審査会が10月19日、福井新聞社で開かれた。昨年を1457点上回る最多の5782点の応募があり、9人が最優秀賞に選ばれた。

福井県内の101小学校、29中学校、6特別支援学校から小学生5254点、中学生528点の応募があった。

「宇宙での夢」がテーマで、画材はクレヨンや水彩、油彩など自由。審査会場のフロアには、未来の宇宙の暮らしや乗り物など、児童生徒が想像力を膨らませてのびのびと描いた力作が並んだ。

洋画家の清水正男さんを審査委員長に6人が審査。小学生6点と中学生3点の最優秀賞をはじめ、優秀賞15点、特別賞18点、優良賞54点、秀作270点、入選822点の入賞計1188点を決めた。

清水委員長は「福井の子どもたちが描く宇宙は、暗黒の世界ではなく実に色彩豊か。魚釣りや花壇など身近な生活から発想される画題を選んでいる子が多く、潤いのある宇宙の夢に感動させられた」と話していた。

表彰式は11月23日に坂井市の県児童科学館で。優良賞以上を同23日から12月1日まで同科学館で、秀作以上を12月下旬に本社で展示する。

特別賞以上は次の皆さん。

【小1】▽最優秀賞(毛利衛賞) 池田峰正(啓蒙)▽優秀賞 平林茂篤(平泉寺)藤田梨央(三国北)▽特別賞 伊藤永悟(金津)坂森理人(中郷)
【小2】▽最優秀賞(知事賞) 田村十兵衛(越廼)▽優秀賞 岸賢佑(社北)松島光希(下庄)▽特別賞 織田悠生(加戸)吉田來稚(常磐)
【小3】▽最優秀賞(福井新聞社賞) 中島さあや(今富)▽優秀賞 伊藤琉騎(萩野)藤本昴(武生南)▽特別賞 黒川栞(日之出)小西遼真(本荘)
【小4】▽最優秀賞(福井新聞社賞) 畑中優佑(有終東)▽優秀賞 中島広太郎(社南)伊藤愛乃(神明)▽特別賞 石川胡花、野尻新(啓蒙)
【小5】▽最優秀賞(知事賞) 藤井環気(春山)▽優秀賞 向奏太郎(木田)藤田将旗(雄島)▽特別賞 浜川照矢(中央)橋本理央(小浜美郷)
【小6】▽最優秀賞(毛利衛賞) 村井乃彩(麻生津)▽優秀賞 小谷季(木田)南部匠成(神明)▽特別賞 廣濱好真(西藤島)岡林大知(酒生)
【中1】▽最優秀賞(知事賞) 中屋咲希(灯明寺)▽優秀賞 松本麻奈可(武生一)▽特別賞 岩本ほたる、寺外珠梨(成和)増田優衣(鷹巣)
【中2】▽最優秀賞(福井新聞社賞) 久保莉乃(三方)▽優秀賞 大谷地愛梨(小浜)▽特別賞 久保汐里(勝山中部)加門宗冴(小浜)
【中3】▽最優秀賞(毛利衛賞) 幸田暖大(高志)▽優秀賞 佐々木陽向(今庄)▽特別賞 上田咲成(小浜)

手作りの移動式プラネタリウムに歓声 星空キャンプ・福井新聞スペースキッズ

ドーム内で星空観察を楽しむ児童たち=2019年8月22日、福井県あわら市の福井県立芦原青年の家
ドーム内で星空観察を楽しむ児童たち=2019年8月22日、福井県あわら市の福井県立芦原青年の家

野外体験や科学実験を通して宇宙への興味を育む福井新聞社の「スペースキッズ」の夏イベント「星空キャンプ」(2019年8月22~23日、福井県立芦原青年の家)。 「おーきれい!」「天の川が見える!!」。直径5メートルのドームの内部に夏の星空が映し出されると、児童から歓声が上がった。22日夜は外で星空を観察する予定だったが、あいにくの曇り空のため体育館に場所を移しプラネタリウム上映に変更。児童は床に座ったり、寝そべったりしながら、この日見えるはずだった星空を堪能し宇宙への憧れを強くしていた。

使用した移動式のプラネタリウムドームは、県内大学生や高専生、高校生らと福井新聞社の記者による「どこでもプラネタリウム(どこプラ)プロジェクト」のメンバーが昨年度に製作した。扇風機を使って膨らませ、内部ではプラネタリウムのソフトの映像をプロジェクターで投映した。

プラネタリウムは、15~30人ずつ5回に分けて上映し、県立芦原青年の家の平田幸憲主任がガイドを務めた。平田主任は「星座はかつて、方角を知る手がかりになっていた」と話し、夏の夜空に見えるさそり座、いて座、へびつかい座のほか、こと座、わし座、はくちょう座の夏の大三角の位置と、これらの星座にまつわる物語を紹介。児童はドーム内の“星空”を眺めながら想像を膨らませていた。

福井市中藤小5年の女児は「星座に関する物語を知ることができて面白かった。住んでいる場所では(明かりの影響で)あまり星が見えないので、プラネタリウムできれいな星空を見られてうれしかった」と声を弾ませていた。

カレーライス作りに夢中 星空キャンプ・福井新聞社スペースキッズ

みんなで協力して作ったカレーライスを味わう子どもたち=2019年8月22日、福井県立芦原青年の家
みんなで協力して作ったカレーライスを味わう子どもたち=2019年8月22日、福井県立芦原青年の家

野外体験や科学実験を通して宇宙への興味を育む福井新聞社の「スペースキッズ」(福井信用金庫特別協賛)の夏イベント「星空キャンプ」(2019年8月22~23日、福井県立芦原青年の家)。22日の夕食は炊事場でカレーライス作りに挑戦した。7~8人ごとに14班に分かれ、火おこしや野菜切り、皿洗いなど役割分担し、協力して取り組んだ。

火おこしではなかなか火がつかず苦戦したが、友だちと協力してうちわをあおぎ、火の勢いを強めた。「水の量はこれくらいかな」「野菜はこうやって切るといいよ」など相談し合い、2時間ほどかけて完成した。

「いただきます!」。班ごとで合唱し、おいしそうにカレーをほおばった。福井市春山小5年の男児は「ちょっと水っぽくなったけど、みんなで作ったカレーはおいしかった」と笑顔で話していた。

星空キャンプ、手作りペットボトルロケットに大興奮 福井新聞社スペースキッズ

手作りのペットボトルロケットを飛ばし飛距離を競う児童たち=2019年8月23日、福井県あわら市の県立芦原青年の家
手作りのペットボトルロケットを飛ばし飛距離を競う児童たち=2019年8月23日、福井県あわら市の県立芦原青年の家

 

野外体験や科学実験を通して宇宙への興味を育む福井新聞社の「スペースキッズ」(福井信用金庫特別協賛)の夏イベント「星空キャンプ」が2019年8月22、23の両日、福井県あわら市の県立芦原青年の家で開かれた。県内の小学5、6年生約90人が自作のペットボトルロケットを飛ばして飛距離を競ったり、移動式のプラネタリウムで星空を観察したりして、宇宙や科学の魅力に触れる充実の2日間を過ごした。

「3、2、1、発射!!」―。23日に芝生広場で行われたペットボトルロケット大会では、児童手作りのロケットを打ち上げて飛距離を競った。カラーテープやフェルトペンで思い思いにデザインした“自慢の一機”は、水しぶきを勢いよく噴射させ大空へ。児童たちは歓声を上げながら、夏の思い出を目に焼き付けた。

ロケット作りはキャンプ初日の22日に行った。県児童科学館(坂井市)のスタッフから、ペットボトル内の水が空気で押し出される反動で飛ぶことを学んだ後、製作スタート。遠くまで飛ぶロケットになるよう、ペットボトル側面に取り付ける羽根の枚数や形をじっくり考察。とがった形や丸みを持たせた形にするなど工夫し、好みのデザインに仕上げた。

大会では1人2回ずつ打ち上げた。ロケットに水を注入し慎重に発射台へ。児童のカウントダウンでレバーを握ると、大きな放物線を描いたり、低い弾道で真っすぐ飛んだりとさまざまな軌道を描いた。2回目は水の量や空気圧を変えて挑戦。児童たちは「うわーすごい!」「今の(ロケット)が一番飛んだんじゃない?」などと終始大興奮。1回目に思うように飛ばなかった児童は「まだもう1回ある」と、水の量や空気圧を考えながら2回目に臨んでいた。

福井市国見小5年の男児は「遠くまで飛んで気持ちよかった。羽根の方向を変えてまた飛ばしたい」と充実した表情。同市木田小5年の男児は「迫力があってドキドキした。夢は宇宙飛行士になること。自分が作ったものよりも大きなロケットに乗って、宇宙へ行きたいという思いが強くなった」と目を輝かせていた。

星空キャンプ、宇宙への夢育んだ2日間 スペースキッズ、福井県の芦原青年の家で

ペットボトルロケットの完成を喜ぶ児童たち=2019年8月22日、福井県あわら市の県立芦原青年の家
ペットボトルロケットの完成を喜ぶ児童たち=2019年8月22日、福井県あわら市の県立芦原青年の家

野外体験や科学実験を通して宇宙への興味を育む福井新聞社の「スペースキッズ」(福井信用金庫特別協賛)の夏イベント「星空キャンプ」が8月22、23の両日、福井県あわら市の県立芦原青年の家で2日間の日程で行われた。初日は県内小学5、6年生84人がロケットが飛ぶ仕組みを学び、ペットボトルロケット作りに挑戦した。

⇒星空キャンプの写真集を見る

イベントは、宇宙分野や科学技術に携わる人材育成を目指そうと福井新聞社が展開している「ゆめ つくる ふくいプロジェクト」の一環で、今回で3回目となる。

ペットボトルロケット作りは、県児童科学館(坂井市)のスタッフが指導。児童たちはボトル内の水が空気で押し出される反動で飛ぶことを学んだ後、製作開始。ペットボトルの側面に取り付ける羽根を何枚使えば遠くまで飛ぶかを自分なりに考え、羽根の角を丸く切ったり、とがった形にしたりして思い思いのデザインに仕上げた。

昨年に続いて参加した福井市の小学6年生の女児は「前回は羽根を3枚にしてバランスが悪かったので、今回は4枚にしてみました」と笑顔。ロケットには「とおくまでとびますように」とメッセージを添え「早く飛ばしたいし、いつか本物のロケットが飛び立つ瞬間も見てみたいな」と夢を描いていた。

この日は曇りで星空が見えなかったため、当初の予定を変更し体育館でプラネタリウム鑑賞会を開いた。県内大学生や高専生、高校生らと福井新聞社の記者による「どこでもプラネタリウム(どこプラ)プロジェクト」で製作した直径5メートルの移動式ドームを使用。内部に設置したプロジェクターから、この日見えるはずだった星空が映し出されると、児童は「きれい」と歓声を上げて喜んでいた。

福井信用金庫による金融教室もあった。23日はペットボトルロケット大会を開き、児童が自作した自慢のロケットを飛ばした。

ふくい宇宙アイデアソン 「食」の部プレゼンテーション内容

「V1」チーム

■3位 「V1」 好きな体勢で寝られる服

「V1」チーム
「V1」チーム

宇宙でのストレス増大の原因の一つに、睡眠の質の低下がある点に着目した。寝袋を使って体を固定していた従来の就寝スタイルを改善できる服を目指した。

たどり着いたのは、浮遊せず、好きな体勢で寝られるよう微細な吸盤をトップスとボトムスそれぞれに取り付けるアイデアだ。生地は、保湿性があって肌触りの良い羽二重織物と、丈夫なポリエステルを使用することで、心地よさと耐久性を両立。恐竜、カニといった福井県の特色をモチーフにしたデザインとした。

ただ、寝返りをうったときに吸盤が取れてしまう心配があった。吸盤の耐久性を調べ、服の部位によって吸着力が異なる吸盤を付けるよう工夫した。腕やふくらはぎなどよく動かす場所には吸着力が低い吸盤を、背中などあまり動かさないと考えられる場所は吸着力が高い吸盤にすることにした。

メンバーは「力を合わせて考えたことが評価されてうれしい」と声を弾ませた。

「福井文化服装学院」チーム
「福井文化服装学院」チーム

■「福井文化服装学院」 宇宙生活、洋服で豊かに

「ファッションを通じて、宇宙での生活を豊かにしたい」。そんな思いから、閉鎖空間であるISS内でのストレスを軽減し、気分を高められる男女の服を形にした。

生地は抗菌、消臭効果がある天然竹繊維を使用。上着の脇などにあるひだはオーロラ色に反射する反射材を使い、華やかさを演出している。いずれも県内企業の素材だ。

生地の無駄を抑えるため、長方形に裁断した生地をつなぎ合わせる着物の作り方を採用した。これは洗濯ができないISS内で清潔さを保つ工夫でもあり、汚れた部分のみを簡単に取り換えられる。

「まるぱん」チーム
「まるぱん」チーム

■「まるぱん」 水で復元できる圧縮下着

宇宙でも自分らしくおしゃれに―。水で復元できる圧縮した下着「コンパクトインナー」を提案した。下着の体積を小さくすることで宇宙飛行士が持ち込む荷物に余裕ができ、好きなTシャツやズボンなどの衣類を持ち込めるようにするアイデアだ。

下着の代わりに圧縮したタオルで実験したところ、圧縮袋に入れたタオルと比べて体積が4分の1になった。下着の素材についても検証し、肌触りが良く吸水性の高いコットンリネンが最適と結論づけた。下着の製造には、福井の繊維技術を生かせることも強調した。

ふくい宇宙アイデアソン 「食」の部プレゼンテーション内容

「しー おぶ くらうず」
「しー おぶ くらうず」
「しー おぶ くらうず」

■2位「しー おぶ くらうず」 いちほまれとそばコラボ

各国の宇宙飛行士に古里の味を思い出してもらうため、世界の調味料と合わせて食べられる「1soba(いちそば)」を提案。2人は「息抜きである食事を楽しんでほしい」とアピールした。

「誰の口にも合うよう、宇宙食は画一的な味が多い」と細川さん。宇宙飛行士のブログなども参考に「食の改善」をテーマに取り組んだ。

いちそばは、いちほまれで作った米粉とそば粉を混ぜ、飛び散らないよう一口大の塊に加工する。つけだれはハラペーニョやナツメグなど各種調味料を使い、80度のお湯で溶けるカプセルに詰める。

数種類の調味料を合わせることも可能。実際に、日本のみそとイタリアのバルサミコ酢を合わせると、「酸味とこくが生まれリッチな味になった」。宇宙食だけでなく、非常食としても活用できる。

宇宙飛行士になりきった対話形式のプレゼンも高評価だった。「実用化されたら日本食や福井を知るきっかけにしてほしい」と口をそろえた。

「FUT古澤研究室」
「FUT古澤研究室」

■ 「FUT古澤研究室」 健康支えるふりかけ 味多彩

国際宇宙ステーション(ISS)内での長期滞在は、生活リズムと体内時計のずれ、ストレス増大、骨密度の低下などの健康問題を生む。1日の生活をスタートさせる朝食で、栄養価の高いふりかけを食べることで課題を解決できないか模索した。

米が詰め込まれた容器の口に、ふりかけが入ったキャップを取り付け、容器内を高圧状態にすることで米にふりかかるようにした。原料には県産トマトやほうれんそうなどを使用。パスタやパンに合うふりかけも考えた。「多彩な味を用意し、飽きないことも利点だ」と説明した。

「熱血バレーボーラーズ」
「熱血バレーボーラーズ」

■「熱血バレーボーラーズ」 「水ボトル」を活用したみそ汁

ペットボトルの削減に向けて海外の学生が開発した球状の水ボトルを活用し、日本人になじみ深いみそ汁を宇宙で味わえるようにした。宇宙でごみを出さずに栄養補給ができる利点をアピールした。

この水ボトルは、海藻の成分を含んだ膜で水を包み込む構造で、膜自体も食べられるため環境に優しい。みそと具材もそれぞれ膜で包み、膜を破ることでみそ、具材、水が混ざってみそ汁が出来上がる仕組みにした。具は福井の特産の油揚げなどを入れる。

実験では、膜を厚くすれば冷凍にも対応できることを確認した。

「特許未取得チーム」
「特許未取得チーム」

■「特許未取得チーム」 福井の特産 キューブ状に加工

越のルビー、六条大麦など福井の特産品を角砂糖のような小さい立方体の形に加工した食品を考えた。栄養価を高めるため、ヨーグルトをかけて食べる。立方体に加工した食品は、さまざまな種類があり、組み合わせ次第で好みの味を楽しめるようにした。

ヨーグルトを使用する上での課題は保存期間が短い点だった。解決に向け、ペンライトの構造を模した容器を考えた。中にはミルクと乳酸菌が分かれて入っており、ペンライト状の容器を折ることでそれぞれが混ざる仕組み。食べる直前にヨーグルトが出来上がるよう工夫した。

ふくい宇宙アイデアソン 「住」の部プレゼンテーション内容

福井高専Bチーム

宇宙の衣・食・住に関する製品やサービスを学生が考えて提案する「ふくい宇宙アイデアソン」(福井新聞社「ゆめ つくる ふくいプロジェクト」主催、福井工大「ふくいPHOENIXプロジェクト」企画・運営協力、ナカテック、ネスティ特別協力)は6月15日、福井市セーレンプラネットで開かれた。県内高校生や大学生ら12チームが出場し、約3カ月かけて練り上げたアイデアを発表。県内企業の技術や特産品を生かして、宇宙での快適な暮らしを実現する夢のある提案が続出し、審査員をうならせた。

福井高専Bチーム
福井高専Bチーム

■優勝 「福井高専B」 簡単に折り畳める1人部屋

長期間にわたって集団生活する国際宇宙ステーション(ISS)内で、プライベートな時間を過ごしてもらおうと「ちぢまるーむ」と銘打った居住空間を提案した。

1人分のスペースを確保した円筒状で、ISS内の限られたスペースを有効活用できるよう簡単に折り畳めるのが特徴。実際に作った小型の模型では、約20分の1のサイズにできることを証明した。

ちぢまるーむの外側には越前和紙、内側には破れにくく肌触りの良い生地を採用。内側は全面に映像を映し出せることもポイントで、テレビ電話にも切り替えることができ「集団生活による疲れやストレスも飛んでいく、夢のような部屋」とアピールした。

宇宙空間だけでなく、地上での利用も模索。災害時の避難所で個室として活用することや、マンホールトイレ代わりに使用することも提案した。メンバーは「3カ月、放課後残って4人で協力してやってきた。アイデアソンをきっかけに宇宙について詳しく知ることができてよかった」と充実の表情。「実用化してほしいし、次は実際に人が入れるような実寸大で作ってみたい」と意気込んだ。

福井高専Cチーム
福井高専Cチーム

■「福井高専C」 飛び散らず体が洗える装置

宇宙飛行士がISSに滞在中、ぬれたタオルで体を拭いて清潔さを保っていることに着目。シャワーのように体が洗える装置「クリーナ・クリナー」を提案した。

ホースの先端に取り付けたスポンジの回転で体を洗う。スポンジの中心から水とボディーソープが出る仕組み。水が飛び散らないよう外側に吸引口を設けたほか、体の曲面にフィットするよう先端部の形状も工夫した。

吸引された水は、フィルターやろ過装置を通って再利用されることもポイント。「地球でも病院や介護の現場で応用できる」とアピールした。

福井高専Aチーム
福井高専Aチーム

■「福井高専A」 作業効率アップ 眼鏡型AR

宇宙飛行士のISSでの暮らしの快適化や作業の効率化を図ろうと、眼鏡型の拡張現実(AR)端末「GAR」を提案した。

地元鯖江産の眼鏡をベースに、取り外し可能なデバイス(投影機、カメラ、タッチパネルなど)、マイク、風圧測定器を装備した。投影機で作業マニュアルを映したり、カメラで他者の作業内容をリアルタイムで確認したりできる。マウスでクリックする動作を、息の風圧を使ってできるようにしたのも大きな特徴。プレゼンでは「手を使わずカーソルを合わせたところをクリックできる」と力説した。

福井高専Dチーム
福井高専Dチーム

■「福井高専D] 「宇宙酔い」を防ぐイヤホン

宇宙飛行士のISSでの暮らしの快適化や作業の効率化を図ろうと、眼鏡型の拡張現実(AR)端末「GAR」を提案した。

地元鯖江産の眼鏡をベースに、取り外し可能なデバイス(投影機、カメラ、タッチパネルなど)、マイク、風圧測定器を装備した。投影機で作業マニュアルを映したり、カメラで他者の作業内容をリアルタイムで確認したりできる。マウスでクリックする動作を、息の風圧を使ってできるようにしたのも大きな特徴。プレゼンでは「手を使わずカーソルを合わせたところをクリックできる」と力説した。

モッソモッソの会
モッソモッソの会

■「モッソモッソの会」 火星で暮らせる円柱状の家

火星で暮らすための家を考案した。円柱状の構造で、落ち着いた生活ができるよう地球を感じさせるデザインを心掛けた。

天井はクモの巣のような形状で、ここから日光を取り込める。差し込む木漏れ日の中で生活する演出だ。外壁は折り畳み式で、運びやすくした。外壁と内壁の間に水を通すことで、宇宙放射線の影響を低減する。

内部に配置する家具は、いずれも運びやすさを考慮して軽量な素材を採用。キッチンテーブルには、物が浮遊しないよう一部に磁石を用いる工夫が盛り込まれている。

スペースキッズ2019始動 福井で結団式

そろいの衣装で宇宙について学ぶ意欲を示したスペースキッズ=6月16日、福井県福井市のハピテラス
そろいの衣装で宇宙について学ぶ意欲を示したスペースキッズ=6月16日、福井県福井市のハピテラス
そろいの衣装で宇宙について学ぶ意欲を示したスペースキッズ=6月16日、福井県福井市のハピテラス

宇宙分野や科学技術に携わる人材育成を目指す「ゆめ つくる ふくいプロジェクト」を展開する福井新聞社は6月16日、子ども組織「スペースキッズ」(福井信用金庫特別協賛)の結団式を福井市のハピテラスで行った。さまざまな体験を通して、無限に広がる可能性に挑戦したい―。好奇心あふれる団員たちは、楽しみながら宇宙への関心を高め活動していくことを誓った。

結団式は、航空宇宙の国際会議「第32回宇宙技術および科学の国際シンポジウム(ISTS)福井大会」に合わせて行った。

3期生となるスペースキッズには、県内の小学5、6年生103人が参加。式には団員88人と保護者ら約200人が出席した。福井新聞社の吉田真士社長はあいさつで「未来の福井を引っ張ってくれるような人になってください」と激励した。

山田賢一副知事は「宇宙を知ることは、地球や福井、自分たちを知ることにつながる」とエールを送り、応援団長を務める川邊勝憲・福井信金常務理事は「夢を追いかける皆さんを全力でサポートする」と話した。3年連続でスペースキッズのサポーターを務める宇宙飛行士の山崎直子さんは「将来一緒に働ける宇宙飛行士が出てくれたらうれしい」と激励のメッセージを寄せた。

団員を代表して福井大附義務6年の女児が「昨年も参加し、挑戦することの大切さを知った。福井の宇宙分野に貢献できる人になりたい」と力強く抱負を語り、活動が待ち遠しそうだった。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙教育センターの鈴木圭子主任による「宇宙のお仕事トーク」もあった。

団員になった5年生の男児は「宇宙は解明されていないことが多くて面白そう。惑星に興味があるから、少しでも知れたらいいな」と話していた。

スペースキッズの活動は、天体観測やキャンプ、施設見学、科学体験などを予定している。

ふくい宇宙アイデアソン、斬新アイデア次々 福井高専Bが優勝

「ふくい宇宙アイデアソン」で優勝した福井高専B=6月15日、福井県福井市セーレンプラネット

 「ふくい宇宙アイデアソン」で優勝した福井高専B=6月15日、福井県福井市セーレンプラネット「ふくい宇宙アイデアソン」で優勝した福井高専B=6月15日、福井県福井市セーレンプラネット

宇宙の衣食住に関する製品やサービスを学生が考えて提案する「ふくい宇宙アイデアソン」には、県内の高校生や大学生ら12チームが出場。「衣」「食」「住」のテーマに分かれ、福井の産業や技術などを生かして若者らしいアイデアを発表した。

アイデアソンは福井新聞社「ゆめ つくる ふくいプロジェクト」が主催。福井工大「ふくいPHOENIXプロジェクト」が企画・運営協力し、ナカテック、ネスティが特別協力した。

チームは約3カ月かけてアイデアを練り上げ、この日の最終プレゼンでは10分の持ち時間で発表。県やJAXAの職員ら6人が、独創性や地域性、実現性など5項目で審査した。

優勝した福井高専Bは、「住」をテーマに発表。長期間にわたって集団生活するISS内で、プライベートな時間を過ごしてもらおうと「ちぢまるーむ」と銘打った居住空間を提案した。

1人分のスペースを確保した円筒状で、簡単に折り畳めるのが特徴。4人は「毎日放課後ずっとやってきた。折り畳み方もポスター用紙を使って何度も試行錯誤しようやくできた。実用化してほしい」と喜びを語った。

2位はいちほまれとそばをコラボさせ、外国人の口にも合うよう世界中の調味料で食べられる宇宙食「1soba」を考えた藤島高の「しー おぶ くらうず」。3位には、宇宙で体を固定せず好きな体勢で寝ることができる洋服をプレゼンした福井工大福井高の「V1」が選ばれた。